記念日反応とは、大切な人が亡くなった後、故人を想起させる「特別な日」の前後に心身の不調を訴える反応のことです。命日などはその代表的なものでしょう。

なぜだかわからないまま、体調を崩したり、不安になったり、心がざわついたりすることがあります。哀しみがぶり返したように涙が急に止まらなくなり、集中力が散漫になり仕事が手につかなくなることもあります。毎年この時期になると何らかのケガをする、事故を起こすというのも、注意力が落ちていることに起因するかもしれません。

この反応は命日だけではなく、季節を感じる時期にあらわれることが多く、故人と昨年までは一緒に過ごしたクリスマス・正月・連休・誕生日・父の日、母の日、結婚記念日といったタイミングに起こりやすいと言われます。

これらは必ずしも病的なものではなく、グリーフを抱えている多くの方にとって正常な反応です。しかし、記念日反応の存在を知り、その前後は誰かと一緒に過ごす、あらかじめ気持ちを紛らわせるための予定を入れておく、といった対処法を事前に考えておくことでその時期を過ごしやすくすることは可能です。

(参考:『大切な人を亡くしたあなたに知っておいてほしい5つのこと』(自由国民社))